2012年8月25日土曜日

竹島・尖閣をめぐる衆院決議の全文

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●記者会見で竹島や尖閣諸島問題の見解を表明する野田首相=24日午後、首相官邸



jiji.com (2012/08/24-11:47)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012082400383

竹島・尖閣をめぐる衆院決議の全文

 竹島、尖閣諸島をめぐる衆院決議の全文は次の通り。

■ 【李明博韓国大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議】

 島根県の竹島は、わが国固有の領土である。
 これは歴史的にも国際法上も疑いはない。
 しかしながら、韓国は、竹島を不法占拠し、施設構築等を強行してきた。
 韓国が不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではなく、決して容認できない。

 今般8月10日に李明博韓国大統領が竹島に上陸した。
 わが国はこのことを強く非難するとともに、竹島の不法占拠を韓国が一刻も早く停止することを強く求める。
 また、わが国政府は、断固たる決意をもって、韓国政府に対し、毅然(きぜん)とした態度をとり、わが国政府が一丸となって、竹島問題について効果的な政策を立案・実施するべきである。
 さらに、8月14日、李明博韓国大統領は、天皇陛下の韓国ご訪問について極めて不適切な発言を行った。
 友好国の国家元首が天皇陛下に対して行う発言として極めて非礼な発言であり、決して容認できないものであり、発言の撤回を求める。
 わが国は、韓国を重要な隣国として認識していることは変わらず、韓国国民と親密な友誼(ゆうぎ)を結んでいくことができると引き続き信じている。
 そのためにも、李明博韓国大統領をはじめとする韓国政府要人および韓国国民が賢明かつ冷静な対応をすることを強く求める。
 右決議する。

■ 【香港の民間活動家らによる尖閣諸島不法上陸に関する決議】

 尖閣諸島はわが国固有の領土である。
 これは歴史的にも国際法上も疑いはない。
 また、現にわが国は尖閣諸島を有効に支配している。
 従って、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。

 こうした中、香港の民間団体の活動家ら14名が、今月15日、わが国海上保安庁巡視船による警告・制止を振り切って、尖閣諸島沖のわが国領海に侵入した。
 また、これら活動家のうち7名は、同日夕刻、尖閣諸島魚釣島に不法上陸した。
 これらの行為は極めて遺憾であり、本院は、これらの行為を厳しく糾弾するとともに、厳重に抗議する。

 これらの違法行為に対し、国内法令にのっとり厳正な対応を行うのは政府の当然の責務である。
 政府は、違法行為に対し法にのっとり厳正に対処するとともに、こうした事態が再発しないよう、中国、香港当局に対し厳重な申し入れを行い、さらに、尖閣諸島の有効支配を引き続き確たるものとしていくために、警備体制の強化を含め、あらゆる手だてを尽くすべきである。
 同時に、日本にとり、中国および香港は、幅広い分野で緊密な関係を有し、利益を共有する重要なパートナーである。
 日中両国は、アジア太平洋地域をはじめ国際社会における平和、安定、繁栄に向け、戦略的互恵関係を一層強化させていくためともに手を携えていく関係にある。
 わが国は、こうした大局を見失わず、同時に、主張すべきを主張し、措置すべきを措置し、領土・領域の保全を全うし、わが国の国益を、冷徹に、断固として守っていくべきである。
 右決議する。





ウォールストリートジャーナル 2012年 8月 25日 10:50 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_500421

野田首相、竹島問題で韓国を批判―異例のテレビ記者会見

 野田首相は主要テレビ局全てで放映された会見で
 「韓国側は我が国よりも前に竹島を実効支配していたと主張しているが、根拠とされる文献の記述はあいまいで、裏づけとなる明確な証拠はない。
 韓国は力をもって不法占拠を開始した」
と明言した。

 首相が領土問題について記者会見を行うのは異例のこと。
 またこの日は、首相会見に先立ち、衆院が本会議で韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島上陸に抗議する決議を採択した。

 一方、韓国政府は野田首相の領有権主張にすぐさま抗議し、主張の撤回を要求した。
 さらに衆院決議の撤回も求めた。

 韓国外交通商省の趙泰永報道官は
 「歴史的、地理的、国際法的に我が国領土に属する独島(竹島の韓国名)に対して、野田首相が不当な領有権を繰り返し主張したことに強く抗議するとともに、主張を即時撤回するよう促す」
との短い声明を発表した。

 日本の衆院はこの日、香港の活動家による尖閣諸島上陸を非難する決議も採択した。

 日本の管理下にある一方で中国と台湾も領有権を主張している尖閣諸島に香港の活動家が上陸した問題については、日本当局が逮捕した活動家を刑事処分ではなく、強制送還という処置を選択したことから、野田政権の対応に対して厳しい批判が生じている。

 野田首相は尖閣諸島と竹島の問題を念頭に 
 「我が国の周辺海域において、我が国の主権に関する事案が相次いて起こっており、誠に遺憾の極みだ。我が国として、このような行為を看過することはできない」
と述べた。

 さらに、
 「我が国固有の領土である離島の主権を確保するということは、海洋国家日本の壮大なフロンティアを守るということにほかならない」
とし、離島の警備を強化するための海上保安庁法改正案の早期成立を呼び掛けた。

 今後数カ月中に総選挙が実施される可能性が高いことから、首相と与党民主党は領土問題で弱腰姿勢を見せるわけにはいかないというのがアナリストらの見方だ。

 早稲田大学で政治学を教える山本武彦教授は、(民主党政権は)選挙が近づいているために強硬路線を取らざるを得ないのが実情、と述べ、
 「これは民主党の本来の外交姿勢ではない」
と指摘する。

 民主党は2009年に政権を獲得した際、アジア諸国との関係強化を外交政策の柱とした。そのため、閣僚は、韓国が竹島を実効支配していることについて、「不法占拠」という表現をすることを控えてきた。

 日本政府は今週初め、竹島をめぐる韓国との領有権問題を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針を決めた。また、野田内閣の閣僚らは予定されていた韓国政府閣僚との会合を延期した。野田首相は23日、首相が親書の形式をとり李大統領宛てに送った抗議書簡を韓国政府が返送しようとしたことについて、「冷静さを欠いた」行動と批判した。

 さらに日韓の対立は両国の経済的な関係にも影響を及ぼす恐れが出てきた。
 日本の安住淳財務相は24日、日韓通貨スワップ協定の縮小を検討することに加え、準備を進めてきた韓国国債の購入を当面見送る考えを示した。

 韓国政府は竹島には領有権問題が存在しないとして、日本によるICJ共同提訴の提案を拒否した。
 ICJへの提訴は当事国双方の同意が義務付けられており、日本が単独提訴しても裁判は始まらない。

 両国とも公選された政府関係者が融和的な行動にでるようなリスクを冒すことはないだろう。
 そのため、両国間の緊張を緩める動きは非公式の「バックチャンネル」外交に頼らざるを得ないというのが早稲田大学の山本氏の見方だ。

 ただ野田首相は韓国を「大切なパートナー」と表現した上で、
 「いたずらに国内の強硬な世論を煽って、事態が無用にエスカレートすることはいずれの国の利益にもならない」
として、両国がお互いに冷静に対応していくよう呼び掛けた。

記者: George Nishiyama and Alexander Martin




【おもしろ韓国】



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